【ネタバレ考察】宮島未奈『成瀬は信じた道をいく』のあらすじ

この記事では『成瀬は信じた道をいく』の感想・あらすじをご紹介！

記事の後半には管理人のネタバレありの感想も載せているので，

読み終わった後の自分の感想と比べてみてください！

また、本屋大賞を受賞した前作、

『成瀬は天下をとりにいく』のネタバレ感想をまとめたこちらの記事も要チェックです。

ぜひ、ご自身の感想と比べてみてくださいね！

【ネタバレ感想】宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』のあらすじ

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『成瀬は信じた道をいく』のあらすじ・概要

あらすじ

成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。

「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、

近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生...。

個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、

幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており....！？

読み応え、ますますパワーアップの全5篇！

新潮社 | 『成瀬は信じた道をいく』特設サイトより

　　

成瀬シリーズの続編となる本作でも、成瀬の予想外な行動が周囲の人々を巻き込みます！

　

前作ではまだ中学生だった成瀬も、いよいよ大学進学を控えた高校三年生に。

名門・京都大学への受験や大学進学後のアルバイトなど、

様々なシチュエーションで、成瀬らしさ全開の物語が展開されていきます。

　

特に、前作ではあまり描かれなかった成瀬の両親がわたしの中で印象的でした！

この親から成瀬あかりが生まれたと考えると、意外でもあり納得でもあり、、、。

　

これまで通りの成瀬だけでなく、成瀬の意外な一面もたくさん登場した本作は、

成瀬ファンのあなたにとって絶対逃してはならない作品になっています！！

本の概要・読むのにかかった時間

次に本書の構成やページ数、読むのにかかった時間などの概要をご紹介します！

　

まず本書の目次構成はこんな感じです！

　

このように本作は全部で５つの章からなります！

相変わらずタイトルだけではどんなストーリーか想像もつきませんね笑

　

各章で語り手が変わっていくお馴染みのスタイルで、

ゼゼカラが大好きな小学生、成瀬の父、成瀬と一緒に観光大使を務める大学生、へと次々に視点が変わっていく。

そして最終章は、待ってましたと言わんばかりに、幼馴染にしてゼゼカラの相方・島崎みゆき視点で描かれます！

　

　

ページ数は全199ページで、

読むのにかかった時間は３時間前後でした！

　

ボリュームたっぷりなのに各章は短く、非常に読みやすい作品だと感じました！

　

ちなみに、著者の宮島美奈先生について、

経歴や現在のプロフィール、おすすめ小説について別の記事でまとめているので、

気になる方はぜひこちらもチェック！

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『成瀬は信じた道をいく』をお得に楽しむなら

実際に読んでみたくなったそこのあなた。

　

紙書籍が好きならやっぱり単行本を購入するのがおすすめですが、

本書が1760円もするように、

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『成瀬は信じた道をいく』を実際に読んだネタバレ感想

さてここから、『成瀬は信じた道をいく』を読んだ私の感想をご紹介します！

一部ネタバレを含む可能性があるので、内容を知りたくない方は先に本書を読んでくださいね。

　

ちなみにこちらが、実際に管理人が本書を読んだ際に書いたメモ。

こんな感じで読んでる最中に浮かんだ正直な感想を、全て書き残してみたので、

このメモを参考に、一部抜粋して内容をご紹介します！

「ときめきっ子タイム」

物語は、前作のラストフレーズである「膳所から世界へ！」で始まりましたね。

　

語り部はときめき小学校４年生の北川みらい。

みらいちゃんは生粋のゼゼカラファンで、

学校の総合学習である「ときめきっ子タイム」で地域で活躍する人について調べることになった際、

真っ先にゼゼカラの２人が頭に浮かび、成瀬と島崎について調べ発表することにしました。

　

最初は緊張していてゼゼカラの２人と心の距離を感じていたみらいちゃんも、

徐々に打ち解けていき、読者も知らなかった成瀬の一面をも引き出していましたね。

　

そんな中でわたしの印象に残ったのが、成瀬が言った２つの言葉です。

それが、

1. 人の名前を一度聞いたら忘れない
2. 将来は何になるかより、何をやるかの方が大事である

というもの。

成瀬は人の名前を忘れない

まず一つ目に、成瀬は一度会った人の名前を忘れないという特徴があります。

成瀬が覚えようと努力しているのか、はたまた才能によって""覚えてしまう"のかは分かりません。

しかし私は、これが成瀬の人望に直結しているのではないかと思いました。

　

誰だって、相手に名前を覚えられていたら嬉しいですよね。

それも少ししか会ったことがないような人であれば尚更です。

　

成瀬は、人の名前を覚えることで、相手を嬉しい気持ちにさせている。

そして相手は成瀬を信頼し、成瀬のことを心に焼き付けることになる。

だから成瀬は、多くの人望を得ているのだろうと感じました。

何になるかより、何をやるかの方が大事である

二つ目に、成瀬が小学生のみらいちゃんに言った言葉として

「何になるかより、何をやるかの方が大事だと思っている。」

というセリフが印象的でした。

　

成瀬は勉強もスポーツも人並み以上にできて、

放課後には地域のパトロールをして、万引き犯を捕まえたことだってある。

　

そんな成瀬が一体将来何になるか、というのはみらいちゃんだけでなく読者の私たちも気になります。

　

しかしそんな疑問と裏腹に、成瀬は「先のことは分からない」とだけ答えると同時に、

パトロールは好きだが、警察官になりたいとは思っていない。

会社員になったとしても、パトロールはできるだろう。

だからわたしが何になるかは未定だが、地域に貢献したいとか、人の役に立ちたいとは思っている。

「ときめきっ子タイム」成瀬あかり

と返しました。

　

私にはこのセリフがとても印象に残りました。

　

別に好きなことを何でもかんでも仕事にする必要はない。

どんな職業に就いていても、自分の好きなことをしてかつ周りに貢献することはできる。

だから、いま自分が何者であるかは関係なく、何をするかにより意識を注ぐべきだ。

そう思わされる、さすが成瀬と言わんばかりの名言でしたね。

　

コンビーフはうまい

タイトルの「コンビーフはうまい」ですが、

これは成瀬の実家の電話番号の語呂合わせであることが明らかになりました。

　

この章の語り部である女子大学生の篠原かれんは、

生まれてから今に至るまでびわ湖大津観光大使になるために生きてきた少女でした。

　

そして、成瀬と二人で観光大使になることができた今、

人生の目的を見失ってしまい、自分の生きる意味を模索している様子が終始描かれていましたね。

　

成瀬の考え方や行動に触れる中で徐々に人生観が変わっていき、

最後に発した「だって、そんな人生、全然映えない！」という一言はとても印象的でした。

　

両親や祖父母に指図されて生きてきたこれまでの人生を否定し、

これからは自分のやりたいように生きていくことを決意した瞬間はとても頼もしかったと同時に、

自分も気付かぬうちに他人軸の人生を歩んでいないか、再確認するきっかけにもなりました。

　

私も、

「どのように生きれば人生が映えるか」

を軸にして生きていくのも悪くないのかな、と自分の人生観について再考させられました。

　

探さないでください

本書のクライマックスはやっぱり島崎みゆき視点でした。

　

大学進学と同時に東京に引っ越してしまい、

成瀬との関わりもどこか疎遠になってしまっていた島崎。

　

大晦日を機に地元滋賀県に帰ることになり、サプライズで成瀬の家に訪問する計画でした。

しかしいざ成瀬の家に行くと、そこには

「探さないでください　あかり」

という置き手紙と共に、成瀬がいなくなって困惑している両親の姿が。

　

また成瀬がなんかしてるわ、、、と思うと同時に、今回は少し心配にもなりました。

　

なんだか成瀬が手の届かない遠くへ行ってしまうのではないか、というような

成瀬のお父さんが感じていたのと近い不安感や寂しさを覚えました。

　

島崎も、離れ離れになってからの成瀬の話を聞くほど、

自分も知らなかった成瀬の一面が次々と明らかになることで、焦りや嫉妬と共に寂しさを感じていたのが印象的でしたね。

　

しかし物語の終盤で、そんな心配は無用と言わんばかりに、成瀬は島崎を一番の友達・相棒として大切にしていることが分かり、

安心したと同時に、これからもずっとゼゼカラの２人が仲良いことを心から願いました。

　

そして物語の最後には、

「これからもずっと、成瀬を見ていられますように」

と島崎が祈る姿が描かれ、このシーンはもしかしたら自作の伏線かも！？と少しだけ期待させられました。

　

まだ大学生のゼゼカラですから、

今後の人生でどんなことが起こるか、もっと見届けたいなと思わされました。

まとめ

この記事では，『成瀬は信じた道をいく』のあらすじ・概要とネタバレ込みの感想をご紹介しました。

 

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